都会のミミズ

気が付けば、コンバースの靴ヒモは両足ともほどけてしまっており、早足で歩く私の足元はかなり自由な暴れっぷりでございました。
こいつはいけねぇ、と、往来の盛んなコースを外れて道の端っこにしゃがみ込んで靴ヒモを結び直した次第でございました。
すると、目の前のつま先あたりに都会には珍しく、ミミズが一匹這いつくばっておりました。
大きくも小さくもない都会のミミズ。
土の気配など何処にもない。このあたりで最も「自然」に近しいものといえば、いつもの定位置で演説を叫ぶ、ベテランのホームレスの方でありましょうか。
「テントだけあっても駄目なんだ!テントを張る場所がなければならない!人生とはそういったものである!ユー・アンダースターン?」
私には難解でうまく理解できない説話を、彼は叫ぶ。いつも叫ぶ。
そんな過酷なアスファルトな環境に、ミミズが一匹。

私は田舎の子。虫もミミズもヘッチャラなので、なんだか懐かしさや親しみを感じて、そのミミズをヒョイとつまみ上げてみたのです。

やきそばでした。
ソースやきそばの麺でした。

都会でミミズを見たら、やきそばと思え!
ユー・アンダースターン?


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